どうする? 我が家のお墓
2015年07月01日
あなたが、我が家のお墓参りに行ったのはいつのことでしょうか?
お彼岸やお盆など、お墓参りシーズンに必ず行っている人もいれば、
遠方にお墓があるため、何年も参拝していないという方も少なくないでしょう。
最近、「無縁墓」という言葉がメディアで取り上げられていますが、
その言葉に危機感を覚えているなら、
ここで我が家のお墓について考えてみてはいかがでしょうか。
子どもがいても「無縁墓」になる!?
音楽葬や家族葬など、個性的な葬送が取り上げられるとともに、
その先にあるお墓についても雑誌や書籍で触れられることが多くなりました。
その中で「無縁墓」という言葉を見かけることがありますが、
どうやら、この言葉を誤解している方が多いようです。
お墓参りに行かない=無縁墓と思っている方がいるようですが、実はハズレ。
お墓がボロボロで、雑草が伸び放題だとしても無縁墓とはいえないのです。
また、子どもがいるから無縁墓にならないというのもハズレです。
お墓を継いだ子どもがしっかり墓守をしなければ、
無縁墓になる恐れがあります。
掃除さえしていれば、無縁墓にはならない→正解は「×」。掃除をしていても無縁墓になる
さて、「墓守」、つまりお墓の維持・管理というと、
真っ先に墓周りの掃除を思い浮かべますが、これらは掃除がすべてではありません。
そして、掃除をしているから無縁墓にならないということでもありません。
維持・管理にはもっと大切な仕事があり、
それが墓地の管理者に継承者(法的には承継者)を明らかにして、年間管理料を納めることです。
ここでもうひとつ誤解を解いておきますが、
我が家のお墓が建っている土地の所有者は、
墓地管理者のものであり、我が家のものではありません。
私たちは永代使用権という土地を使用できる権利を得て、そこにお墓を建てています。
したがってお墓を継いだら、墓地管理者に
年間管理料をお支払いするも継承者としての仕事です。
もしそれを怠れば、お墓は撤去される可能性もあります。
年間管理料を納めていれば無縁墓にはならないけれど、
ご先祖様に申し訳ないなら……
ところで「無縁墓」の問題ですが、前述の年間管理料を納めて
墓地管理者にお墓の継承者がいったい誰なのか明確にしておけば回避できます。
つまり、それらをしていれば少なくとも無縁墓にはならないというわけです。
とはいえ、自分のルーツでもあるご先祖様が眠る大切なお墓ですから、
申し訳ない……と思う方も多いことでしょう。
気持ちの面からも無縁墓にしたくなければ、
お金を納めるだけでなく、折をみて、それこそ掃除や線香を手向けるなど
お墓参りをしてはいかがでしょうか。
監修/第一生命経済研究所主席研究員・小谷みどり 構成/梶原知恵
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