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インタビュー

コンピューターセキュリティの救世主 「ホワイトハッカー」の素顔に迫る

2015年07月01日

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2015年10月から、いよいよ全国民をナンバリングしてコンピューター管理する「マイナンバー制度」がスタートします。しかしその一方、日本年金機構や大手企業の情報流出問題やサイバー攻撃などのニュースが相次ぎ、セキュリティに対する不安が全国的に広がっています。
日本のコンピューターセキュリティ問題は、本当に安心なのでしょうか……?

コンピューターを巧みに操り、私たちの大切な個人情報を抜き出す脅威、それが謎の存在「ハッカー」です。なんでも近年は、悪者の「ブラックハッカー」と、それに対抗する正義の味方「ホワイトハッカー」が存在し、日々闘いを繰り広げているそうです。
まるで映画の世界のようですが、実はこの「ホワイトハッカー」は複数存在し、しかも私たちの身近な場所で普通に暮らしているのだとか。

そこで今回は、日本のコンピューターセキュリティ分野のパイオニアであり、現役のホワイトハッカーとして活躍する「ネットエージェント株式会社」会長・杉浦隆幸さんにお話を伺いました。

アウトローなイメージは間違い! 規則正しい社会人だった!

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——そもそも、「ハッカー」とはどういう人たちなのでしょうか?

「実はハッカーには、定義がないんです。あえて言うならば『コンピューターに詳しい人』といったところでしょうか。そんなもモヤモヤした言葉なので、ホワイトやブラックといった定義はさらに曖昧です。例えば、国に雇われているホワイトハッカーは、仕事として他国をサイバー攻撃しますよね。それは他国からすれば立派なブラックハッカー。日本では他国へのサイバー攻撃は禁止されていますが、世界では国の情勢や立場によってハッカーの目的や正義も変わるものなんです」
サイバー攻撃というと、ハードボイルドな世界を妄想してしまいますが、実は彼らは国に仕える公務員。9時〜5時勤務のような日々を送る、とても健康的な人たちだそうです。
一方、日本のホワイトハッカーは「ビジネスマン」といったところ。企業のWEBサイトのセキュリティ検査やコンピューターセキュリティに関する研究など、意外にも地道な作業が多いとのことです。
「私も基本的には土日休みです。問題が起こった時などは仕事にかかりっきりになることもあるのですが、周囲の社会人と比べればとても規則正しい生活を送ってると思いますね」

ちなみに杉浦さんの主観では、日本のホワイトハッカーは
・コンピューターが好き
・コツコツと努力をいとわない
・もの静か
・なぜか痩身
という特徴を持った人が多いそうです。

そして一流のハッカーが備えているのが「分析力」なのだそう。

「ホワイトハッカーの仕事は、あらゆるサイバー攻撃を予測したり、思いもよらないようなセキュリティの穴を発見する力が必要です。そのためには、コンピューターに関する分析力が重要ですね。また常に新しい技術を開拓できるチャレンジ精神がなければいけません」

エンジニアのような圧倒的な技術と情報量、そしてコンピューターに関する分析力を備えた人だけが、ホワイトハッカーとして活躍できるのです。

ホワイトハッカー、その仕事の矜持

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——ホワイトハッカーの具体的な仕事内容を教えてください。

「最近はインターネットに接続される機器が増えてきた影響で、私たちがセキュリティ検査する領域も広がってきています。例えば、近年流行しているオンラインゲームの検査では、ゲームに不備がないか、現状のセキュリティで不正ができないかととことん探します。合計時間は1000時間、2000時間になることもあるでしょうか。きっと開発にかかわっている人と同じくらいプレイしていると思いますよ」

なんと、あの『ドラクエ』のオンラインゲームも「ネットエージェント」が検査を担当したのだそうです。
まさに開発者と2人3脚で商品を生み出す、なくてはならない存在。しかし杉浦さんは「私たちは、裏方です」とキッパリ断言。

「間違ってはいけないのですが、私たちは作り手ではありません。私たちの存在が目立つということは、問題が起こっているというわけであって、歓迎されるべきではありません。あくまで開発者の引き立て役として、見えない場所にいるべきなのです」

ハッカーの世界が謎に包まれているのは、このような「裏方の美学」が徹底しているから。控えめな言葉の端々から、ホワイトハッカーの揺るぎないプライドが感じられます。

今、セキュリティ対策でできること

——これからのコンピューターセキュリティーにひそむ危険を教えてください。

「話題となっている『マイナンバー制度』を例に挙げると、もしここへサイバー攻撃が成功すると、単純に情報を抜き取るだけでなく、情報が漏れる経路を偽装して他人に罪をかぶせるという事態も起こりうると思います。重要な制度だからこそ、万全の対策をとらなければ危険ですね。『マイナンバー制度』に限らず、新しい技術や取り組みは、コンピューターの世界では100%攻撃を受けると考えた方がいい。身近なところでいうと、自動運転ができる車のシステムが乗っ取られるという危険も想定できます」

私たちの生活が豊かになるその裏で、日々ホワイトハッカーとブラックハッカーの戦いが繰り広げられているのです。

最後に、一般のPCユーザーにもできる、簡単かつ効果的なコンピューターセキュリティ方法を教えてもらいました。

「まずは基本の『ウイルス対策ソフト』を使うことと、OSを常に最新にアップデートしておくこと。皆さんつい忘れがちになってしまいますが、この2つを忠実に守るだけで、ハッカーの攻撃成功率を10%にまで下げることができるんですよ」

シンプルかつ、効果抜群。「面倒だから」のひと言でアップデートをサボっている人、これでもアップデートしませんか?

プロフィール
杉浦隆幸(すぎうらたかゆき)
ネットエージェント株式会社取締役会長。
プロバイダ業界でのエンジニア勤務を経て、1999年にネットエージェントを設立。2004年にファイル共有ソフト「Winny」の暗号解読に成功。2010年には政府の「情報保全システムに関する有識者会議」の委員を受嘱。2013年には政府主催のセキュリティ技術者の競技会「CTFチャレンジジャパン」で初代王者に。

そんな杉浦さんが、最近のIP電話乗っ取りの事件を受けて、最近手掛けたのが、「IP電話乗っ取り可能性検査サービス」。
「ネットエ―ジェント」ホームページから無償で利用可能。ワンクリックで利用しているIP電話が乗っ取られているかどうかを検査することができる。

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http://www.netagent.co.jp/news/ipphone.html

(text:T山/kwc)

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KWC NEWS
2017/07/03
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