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インタビュー

ニッチな職業「成分」図鑑VOL.1「テレビカメラマン」

2015年06月30日

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ニッチな世界で働く人から、その職業の実態を、表の部分から裏の部分まで余すところなく語ってもらう連載「ニッチな職業『成分』図鑑」。第一回となる今回は、「テレビカメラマン」にスポットを当てます。

さて、文字通りテレビ番組のキモとなる「映像」を作り出すのがテレビカメラマンの仕事です。有名人、絶景、事件の現場…などなど、視聴者の目を釘付けにする映像を撮って撮って撮りまくる。そうした華々しい世界での活躍を想像する一方、こんなイメージもないでしょうか?

  • ・体力的にキツい
  • ・時間が不規則
  • ・せっかく撮った画が全然使われない

結論をいうと、これ全部正解です。にも関わらず、どうしてこの仕事を続けるのでしょうか。どんな魅力があって、どこにやりがいを感じるのか? 都内の映像制作会社に勤務するテレビカメラマンのSさんに話を聞いてみました。

Sさんの話を総合すると、テレビカメラマンの「成分」はこんな感じです。

テレビカメラマンの成分=アスリート30%+論理思考30%+好奇心40%

いったいどういうことなのか? 詳しく分析していきましょう。

テレビカメラマンは「アスリート」だ!

小さい頃からテレビが好き。自分が関わるなら映像しかない!と、一直線にテレビカメラマンを目指し、現在までこの仕事を続けているSさん。率直に聞きます。テレビカメラマンに必要なことって何ですか?

Sさん「1にも2にもまずは体力ですかね。僕の会社はロケ仕事が多く、番組内容にもよりますが、たとえばタレントさんの街歩き番組だと、朝から夜まで動き回ることもざらです。屋外のロケだと10kgのテレビカメラをずっと持ったままですからね。足腰は鍛えておかないと。今はウォーキングがてら毎日歩く時間を作って、家に帰ったら腕立て・腹筋・スクワットもしています」

まさにアスリート。Sさんは30代後半。「若いうちはなんとかなったけど、これからは体力勝負」と語ります。ちなみに、今までで一番キツかった仕事は?

Sさん「船ロケですかね。1週間くらい、ただただ水平線を見る生活をしていました(笑)。そもそも海に馴染みがなかったので、いきなりハードな環境に放り込まれてキツかったです」

なんというか、心の余裕も必要そうですね…。さらに、体力以上に大事なこともあるといいます。

Sさん「映像にとってブレは致命的。何時間もカメラを担ぎ、かつ安定した画を撮り続けるためには、並外れた集中力が必要です」

撮影時の集中力はものすごいそう。何か秘訣はあるのでしょうか?

Sさん「うーん。気持ちの問題ですけど、僕の場合は、撮っているときも常に『視聴者が見ているんだ』という意識を持つようにしています。数字上は1%の視聴率でも、数万〜数十万人ていう人がテレビを見てくれているんです。その人たちのことを考えると、自分の仕事の責任の大きさを感じずにはいられません」

視聴者のことを第一に考える。それはまるで、一流のアスリートが持つショーマンシップのようです。

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カメラのタリー(撮影がスタートすると点灯するランプ)がつくと、いやおうなく集中力が高まるとのこと

テレビカメラマンは「論理思考」の持ち主だ!

ディレクターあってのテレビ番組。ディレクターの意図なくしては、映像は「番組」にはなり得ません。それゆえに、ディレクターの考えを汲み取ることが、テレビカメラマンの仕事の必須条件。

Sさん「映像に絶対的な正解はありません。それにディレクターの方も、具体的に指示をしてくれる人もいれば、『あれをこう』とか、感覚的な指示をする人もいます。人によって好みも違いますしね。だから、考えを汲み取るといっても、いわれるがままでもダメ。いろんな映像のバリエーションを提案できる対応力、幅の広さが重要なんです」

ディレクターの欲しい画は何か? それを正しく汲み取り、形にして提案できるか? 一見、芸術的な素養を問われそうな映像の仕事ですが、論理的な思考力がなくてはプロとしてやっていけません。

Sさん「あと、今撮らなければいけない画の、前後の流れもキチッと考えなければいけません。ディレクターは比較的『点』で欲しい画を考えるけど、カメラマンがそれを鵜呑みにして撮っていたら、編集でつながらなくなってしまう。すると、ちゃんと流れを考えて撮っていなかったカメラマンの責任になりますよね。だから僕らは『線』で映像を考えます」

カメラを回しながら、「常に頭のなかで編集をしているイメージ」を持っているというSさん。もはや高度過ぎて想像ができませんが、常に脳をフル回転させて現場にのぞまなければならないのですね。

テレビカメラマンは「好奇心」の塊だ!

では最後に。これからテレビカメラマンを目指す人に、アドバイスはありますか?

Sさん「まずは体力(笑)。あと一番大事なのが、いろんなことに好奇心を持って、経験すること。これが最も必要な資質かも」

遊ぶとは?

Sさん「僕が考えるこの仕事の醍醐味って、いろんなところに行って、いろんな人に会えることだと思うんです。僕は飛行機が好きなんですけど、航空会社の取材に行って一般人が入れないエリアに入れたときは、すごく興奮しましたよ。つまり何が言いたいかというと、取材対象のことを少しでも知っていないと、リアリティのある画ってやっぱり撮れないんです。視聴者に『こいつの撮り方、分かってないなあ』って思われたら、僕らとしては未熟。専門用語とかが分からなくてディレクターのオーダーが理解できなかったりすると、非常に恥ずかしいですし」

Sさんは自身が詳しくない分野を取材するとき、事前に勉強をしてから現場にのぞむといいます。

Sさん「広く浅く程度でいいし、勉強しようとして勉強しなくてもいいから、常に興味のアンテナを張っておくことが大切だと思いますよ。アンテナがないと、この仕事はいずれ楽しくなくなる。時間は不規則でなかなか合コンの約束もできないし、『快心の出来!』と思った画が使われないこともよくありますし(笑)。楽しく仕事を続けるために、食わず嫌いをせず、いろんなものに触れましょう」

おまけ編:テレビカメラマンの必需品

1.腰の痛みを和らげる膏薬
「長時間カメラを持っていると腰が痛くなってくるので、痛みを和らげるために。ちなみに人によっては現場にコルセットを持ってくる人もいます」
2.虫除けスプレー
「テレビカメラのモーター音がなぜか蚊を寄せ集めるんです。撮影中は集中しているから気がつかないんですけど、カメラを止めたとたん尋常じゃないかゆみに襲われます。だから夏は虫除けスプレーが必須」
3.黒か紺の上着
「自分が万が一カメラに写り込んだとき目立たないように、上着は黒か紺にしておきます。白とかだと目立ちすぎてしまうので絶対にNG」

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Sさん愛用の膏薬は「バン○リン」。

(text: ぽんちゃん/KWC)

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