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インタビュー

幸運おいでませ! エンギモノ倶楽部 東京都港区・芝大神宮の「千木筥」

2015年07月21日

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日本人は縁起を担ぐのがお好き。店先に招き猫を飾ったり、勝負事の前にかつ丼を食べたり、さまざまな方法で運気アップを試みるものです。そこで活躍するのが「縁起物」。招き猫やかつ丼のように、「良いことがありますように」と祝い祈るための品物のことです。

そんな全国各地のご利益満点な縁起物にスポットを当てる新連載が「エンギモノ倶楽部」。第1回は、東京都港区に鎮座する芝大神宮の「千木筥」(ちぎばこ)を紹介。その特徴やご利益について、現地でお話を伺います!

藤の花が彩る3段重ねの美しい筥

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大通りから伸びる直線の参道を行くと、芝大神宮が見えてきます。

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ビルに囲まれている芝大神宮の拝殿。

寛永2年に創建された芝大神宮は、平安時代から今日まで1000年以上の歴史を持つ古社です。主祭神は三重県・伊勢神宮の内宮と外宮から勧請した、天照皇大御神と豊受大神の二柱。伊勢神宮から遠く離れた関東でも二柱にお参りできる「関東のお伊勢さま」として崇敬を集めてきました。

そんな芝大神宮で授与される千木筥とは、どんな縁起物なのでしょう? 案内してくれたのは、同社で権禰宜を務める城所剛司さん。早速、千木筥を拝見させてもらいました!

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筥の上面と側面に鮮やかな模様が描かれている千木筥。
城所さん
「千木筥は、全国でも芝大神宮のみで授与されている名物です。千木とはお宮の屋根のてっぺんから斜めに飛び出している木のこと。それを削って作られた筥だから千木筥と呼ばれるとか、藤づるで編んだ器に餅を盛った餅器から“も”が抜けて千木となったとか、由来は諸説あります」

重ねられた3つの木の筥が、つるで束ねられています。手にとってみると、これが意外に大きい! 手のひらほどのサイズです。

城所さん
「昔はもっと大きいものも作られていたんですよ。現在、一般に授与されている千木筥は、こちらのみですね」

手のひらにのせると、カラカラという音がします。どうやら箱のなかに何か入っているようですが……

城所さん
「上段から1個、2個、3個と大豆が入っているんです。ちなみに、ばらけさせることもできます」

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授与する際には「ばらけても、また組み立てていただければ大丈夫ですよ」とご案内しているそうです。

つるを取ると、千木箱は簡単に3つにわかれました! こうすると、筥に描かれた模様の美しさが際立ちますね。これは何かの花でしょうか?

城所さん
「紫色と白色の藤の花です。上から見るとわかりますが、上段・中段・下段で紫と白の花が交互になるように描かれています」

細かい意匠が施された千木筥。縁起物としてだけでなく、工芸品としてもすばらしい出来です!

ご利益は女性の良縁と役者にも!

戦後の昭和二十年以降には、芝大神宮で授与品として配られていたという千木筥。近年は、そのご利益が女性たちの間で評判になっているそうです。

城所さん
「千木の“木”は“着”に読み替えることができます。ここから千着の着物がたまるくらい良いところにお嫁にいけるとされ、女性の良縁のお守りとして知られています」

特に昔の人にとって、着物は貴重な資産。千着くらい着物が買える良家に嫁ぐことができたなら、確かに幸せになれそう! お受けした後は、どうすれば?

城所さん
「着物についてのお守りですから、衣服が増えるのを祈ってたんすやクローゼットのなかに収めてください」

なかには、親から受け継いだ千木筥をずっとたんすにしまっている人もいるそうです。また、歌舞伎役者や芸能人にも、千木筥を求めてお参りに来る人がいるのだとか。

城所さん
「千木は千着の着物が着られるくらい役がもらえる、という意味にも取れます。つまり、歌舞伎役者にとって、千人分の役を演じられるほど売れるということに通じます。縁起物として持たれる役者さんは、芸能人の方も含めて結構多いみたいですよ」

ちなみに、芝大神宮は「め組の喧嘩」として有名な鳶頭と相撲取りの乱闘騒ぎの舞台となった場所。江戸時代に起きたこの騒動は芝居として後世に伝えられ、今も歌舞伎「神明恵和合取組」(かみのめぐみわごうのとりくみ)として上演されています。

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狛犬の台座には「め組」の文字が刻まれています。

そのため、主演俳優は芝大神宮に参拝する習わしがあるそう。歌舞伎界とも、深い縁があるのです。

職人が手作りする希少品

女性や役者にとっての縁起物として親しまれる千木筥。今では一年を通じて授与されていますが、かつては芝大神宮で毎年9月に開催される「だらだら祭り」限定の授与品だったようです。

城所さん
「毎年9月16日の例大祭の前後に行われるだらだら祭りは、開催期間が11日間におよぶ長い祭りです。変わった名前ですが、だらだら続くからであるとか、季節柄だらだらと汗をかくからであるとか、そうした理由でだらだら祭りと言われているようです」

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芝大神宮の名物が描かれた絵馬。「生姜 千木筥 だらだら祭り」と記されています。

このだらだら祭りの期間中には、千木筥作りの実演も行われます。実は、千木筥は職人がひとつひとつ手作業で作っているそうです!

城所さん
「今も昔も手作業は変わりません。しかし、今では職人の数も減り、一人だけになったと聞いています」

すると当然ながら、千木筥を作れる数は限られてきます。

城所さん
「月に数えるほどしか作れません。だから千木筥を授与所に並べると、すぐになくなってしまいますね」

芝大神宮を訪れても、運が良くなければ手に入らない千木筥。だらだら祭りや毎月1日の月並祭の日に授与されることが多いそうですが、欲しい人はこまめに参拝しましょう。それでも手に入らない場合は、どうすれば?

城所さん
「昔からの千木筥のほかに、身につけられるストラップタイプの『千木筥おまもり』も授与しています」

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千木筥おまもりは土鈴。壊れやすいので乱暴に扱わないように注意。

授与所に千木筥がない場合は、千木筥おまもりを案内してくれます。もちろん、効果は同じ。こちらはたんすに収めるのではなく、キーホルダーのように身につけると良いそうですよ!

芝大神宮が鎮座するのは、東京タワーや徳川家の菩提寺である増上寺のすぐ近く。東京観光をしながら、幸せを手に入れちゃいましょう!

芝大神宮
住所:東京都港区芝大門1-12-7
電話:03-3431-4802
営業時間:6:00〜19:00(授与所は8:00〜18:00)
http://www.shibadaijingu.com/index.html

(text:吉田翔平/kwc)

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2017/07/03
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