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インタビュー

頭の中を覗き見! みんなの本棚拝見〜編集プロダクション ケイ・ライターズクラブ取締役 柳澤孝文編〜

2015年07月01日

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好きなものや興味があるもの、はたまた仕事に関係するものなど、さまざまな本が詰まった本棚。そこに並んでいる本には、持ち主の性格が色濃く映し出されているのでは!? そこで、気になるあの人の本棚を見せてもらって、頭の中を少し覗いてみましょう!

70〜80年代の「衝撃の歴史」が並ぶ本棚

編集プロダクション、ケイ・ライターズクラブ取締役の柳澤孝文氏の蔵書は、その職業柄かおよそ500冊にも上ります。いらないものはなるべく処分しているそうですが、愛着があってどうしても手放せない本が多いのだとか。
今回はその中でも、特に思い入れのある蔵書の一部を見せてもらいました。

背表紙の色あせ具合から歴史が感じられるコミックスの数々。これらに限らず、「手元に残している本は高校生から大学生の間に、強い感銘を受けたものが多い」と柳澤氏。

柳澤「萩尾望都(※1)作品(ポーの一族、トーマの心臓など)なんかは、高校生くらいのときに姉の影響もあって読んでたものかな。少女漫画なんですけど、扱ってる世界観も画力も70年代当時はかなり斬新で、初めて読んだときに驚いたのを覚えています。大友克洋(※2)も今ではよく知られた作家だけど、ロッキング・オンで連載しているのを初めて見て、劇画でも漫画でもない明らかに異質なタッチと圧倒的な画力に興奮させられました。実は、漫画が好きで残しているというよりは、これらの作品と出会った時の『なんだこれは!』という新鮮な気持ちを忘れたくなくて残しているんです」

当時はインターネットがなく、本や漫画が娯楽として占める割合が高かっただけに、その衝撃は大きかったと振り返ります。

次に見せてもらったのは、音楽関連書籍の棚。柳澤氏が「自分の基本」というビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フーを中心とした60年代ロックミュージシャンのアーティスト本や自叙伝などが並んでいます。

柳澤さん「今じゃ考えられないけど、80年代はこういった本でしか海外のミュージシャンの情報というのは手に入りませんでした。それも誤表記があったり、日本語訳もまずかったりと、決してクオリティの高いものじゃなかった。それでも無いよりはあったほうがいいと思って読んでました。今読み返したら、資料的な価値はほとんどないんだけど、本が出版された当時の言葉づかいや掲載されている広告から、その時代の文化や世相が分かるのが面白くて残してたりもします」

その中に混じっている珍しい本を見つけました。『包』と題されたこの雑誌は一体何なんでしょう?

柳澤「これは『パオ』って読んで、マイナーな民俗音楽を取り扱った、いわゆる『ミニコミ誌』です。80年代はミニコミ誌ブームで、書店以外でもいろんな本との出会いがありました。この本も確か、書店ではなくてレコードショップで見つけた記憶があります。80年代半ばにはワールドミュージックブームというのもあったから、その流れで作られたミニコミ誌だったんじゃないかな。
この雑誌も今読んで内容がどうこうっていうのはあんまりないんだけど、当時の民俗音楽の扱われ方が分かるっていう意味で、すごく面白くて捨てられないんです。きっと、この時代っていろんなジャンルでこういうミニコミ誌が作られてたんだろうなぁ」

本棚からは柳澤さんの趣味嗜好が見えるだけでなく、その時代の息づかいも聞こえてきそうです。

(注釈)
※1萩尾望都…70年代から活躍する日本の少女漫画家。卓越した画力と、「文学を超えた」ともいわれる高い作品性から「少女漫画の神様」とも呼ばれている。代表作に『ポーの一族』『トーマの心臓』『11人いる!』など。

※2大友克洋…日本の漫画家、映画監督。70年代にデビューし、リアル指向のタッチや映画から影響を受けた構図の切り方といった独特の作風で日本漫画界に大きな影響を与える。代表作に『童夢』『AKIRA』など。『AKIRA』は自身が監督を務め、アニメ映画化を果たし、ジャパニメーションブームの嚆矢となった。

60年代ロックと藤原新也に導かれてインドへ……

本棚の一角にはインド関連の書籍も多く揃っています。

柳澤「さっきの棚から分かるように、僕は60年代ロックが好きなんですが、そのあたりってビートルズをはじめ、インドに影響を受けた作品を発表したアーティストが多かったんです。そこからインドに興味を持つようになりました。
84年の春、初めてインドに行ったときはコルコタ〜ベナレス〜デリーといった主要観光地を巡ったんですけど、なんだかピンとこなくて。最終的にチベット国境に近いラダックっていう地域にハマっちゃったんです。そこは手つかずの美しい仏教美術が残っている本当の秘境で、まるで冒険家のような気分が味わえました」

そういえば、確かに背表紙に「ラダック」という地名が書かれた本が目立ちます。84年の夏に旅行に行ってからは、ラダック関連の本が出るたびに購入するほどの入れ込みようだそうです。
ラダックの他に、「藤原新也(※3)」という著者名も目立ちます。ここからも何か影響を受けているのでしょうか?

柳澤「60年代ロックもそうですが、藤原新也さんの著書『印度放浪』も、インドに行きたいと思うようになったきっかけのひとつです。ここに載っている写真に憧れて、旅行前に一眼レフを買ったりもしました。
こうして、改めて手元に残している本を振り返ってみると『本を残している』というより、『その本に出会ったときの衝撃』という大切な個人体験を残しているということがわかりました。
刺激を受けた体験を残しておくことはモチベーションにもつながりますし、何より守りに入ってしまわないように、という自分への戒めでもあるんです」

たくさんの本を読むということは、ともすれば頭でっかちになってしまいがちなイメージがあります。しかし、柳澤氏の蔵書は、どれも実体験と結びついているせいか「生きた血が流れている」かのよう。
そこからは、好きなことや仕事に向かって、妥協することなく真っ直ぐに突き進んでいく柳澤氏の頭の中が少し垣間見えたような気がしました。

(注釈)
※3藤原新也…日本の作家、写真家。1972年より、インド、東京、アメリカを中心に撮影した写真とエッセイを合わせた作品を発表。代表作に『印度放浪』『逍遙游記』など。第3回木村伊兵衛写真賞など受賞歴も多数。

(text:寺井麻衣/KWC)

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