刺繍は Bubblegum Bitch のたしなみです ~ 誰でもできる!お手軽クロスステッチ入門
2015年06月30日
刺繍と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
お裁縫好きのおばあちゃんが、暖炉の傍でロッキングチェアを揺らしながら、ちくちく針を刺している姿? そこには「HOME SWEET HOME(楽しい我が家)」なんて、ほのぼのした言葉が描かれていたりして…。
なるほど、それでは試しにGoogleで「sassy cross stitch」と検索してみましょう。
「Bite me(かかってきな)」「Piss off(失せろ)」…そのほか、とてもここには書けないような過激な柄の刺繍がたくさん表示されたはず。
風船ガムをくちゃくちゃ噛みながらストリートを闊歩するイケてる女の子のことを「Bubblegum Bitch」なんて言ったりしますが、英米では刺繍はまさに彼女たちのもの。
特に「sassy(生意気な)」柄の刺繍は、その“ゆるふわ”な見た目と過激な文面とのギャップが受け、若い手芸ファンに流行中です。
あなたがクロスステッチを選ぶべき3つの理由
「でも刺繍って難しそう…」
そんな声が聞こえてきますが、縦横に縫い目を並べ、模様を作っていくクロスステッチならとっても簡単!
- 1. 布に図案を写す必要がない。
- 2. ドット絵を描く要領で、自分で好きな図柄を作れる。
- 3. 縫い目さえ数えられればいいので、規則的な穴が開いているところならどこにでも刺繍ができる。
さあ、あなたも今すぐクロスステッチを始めて、全世界に喧嘩を売りましょう!
必要なのは、針と糸だけ
クロスステッチをするために必要なのは、針と糸、それから刺繍をする布だけ。
- 針
- クロスステッチ用の針も市販されていますが、最初は普通の縫い針でOK。
- 刺繍糸(25番糸)
- 発色の美しい刺繍用の糸。手芸屋さんで好きな色のものを選びましょう。よほどの大作を作るのでなければ、一色につき一束でじゅうぶん。最近は100円ショップの手芸用コーナーにも置いています。
- 織り糸の数えられる布
- クロスステッチは布のマス目を糸で埋めていくことで模様を作ります。どこに針を通せばいいのかがわかる麻布や、クロスステッチ用の布を使いましょう。そんな布持ってないよ! という方は、縦横に並んで穴が開いているものならなんでもいいです。たとえば、こんなふうに穴の開いたスマホケースはどうでしょう。
今回は、穴の開いたスマホケースに刺繍して、オリジナルスマホケースを作っちゃいます!
生意気なフレーズ×乙女モチーフがクール
次に、どんな模様を作りたいのかも考えておきましょう。
好きな映画や洋楽から取った生意気なフレーズと、花柄やレースなどのかわいいモチーフを組み合わせるのがオススメです。
今回は市販のパターンを使わずに、自分で一から図案を考えることにします。
何も難しいことはありません。要はドット絵なので、方眼紙のマス目を埋めて模様を作るイメージです。
本当に方眼紙と鉛筆で図案を作ってもいいですし、自分で適当に描いた絵を写メし、自動パターン生成サイトでドット絵に変換する方法もあります。
「cross stitch pattern maker」で検索すると、便利なサイトがたくさん出てきますよ。
今回は、Icona Pop のヒットチューン「I Love It」から取った「I’m a 90’s bitch」というフレーズを刺繍してみます。
意訳すると「(あんたは昭和生まれのオジサンだけど)あたしは平成生まれのビッチなのよ!」ってところでしょうか。筆者は残念ながら“ギリ昭”ですが。
これさえできればOK! クロスステッチを覚えよう
準備ができたら、クロスステッチのやり方を覚えましょう。
ここでは一番簡単な、「二本取りで、ひと目ずつ仕上げる」方法をお教えします。
まず、刺繍糸の束から、糸を二本、40㎝くらい引き抜いて、針に通します。
このように「二本の糸を使って縫う」ことを、二本取りといいます。
次に、布の裏から、表に向かって針を刺します(①)。刺しはじめは、糸を結ばずに5㎝くらい残しておきます。
そこから右上の穴に針をくぐらせ(②)、左上の穴から再び布の表に針を出します(③)。右下の穴から布の裏に針をくぐらせれば(④)、これでひと目が完成。
そのまま左に向かって縫い進めれば、一列が完成します。
上になる糸がいつも同じだという点に気をつけておけば、間違えることもないはず。
糸が短くなってきたら、一度刺し終わりにしましょう。
裏に渡っている糸に、残りの糸をくぐらせて始末します。玉結びにする必要はありません。
刺繍全体の刺し終わりのときも、同じ要領で糸を始末します。
とりあえず、このクロスステッチさえ刺せれば模様は作れます。
用意した図案に従って、淡々と刺繍をしましょう。
テレビを観ながら、ちくちく…あっという間に完成!
Ta-dah! (ジャジャーン!)
これが…
こうなりました!
最初はちょっと見た目がいびつでも、刺す順番を間違えていても、問題ありません。
遠くから見ればわかりませんし、ほとんどの人は刺繍=難しいものと思っていますから、「これ自分で作ったの」と自慢すれば「すごい!」と褒めてくれます。
今回は穴の開いたスマホケースを使いました。
プラスチックのいいところは、何度でも糸をほどいて新しい図案を刺繍できること!
(布でもできないことはないですが、繰り返しやっていると布が傷んでしまいます。)
「もっと上手に作りたい!」と向上心が芽生えたとき、「この柄にも飽きてきたな~」というときには、ほどいてまた新しいパターンを刺繍してみましょう。
スマホケースは、個性を表現するためのキャンバス。
ぜひ、あなたもクロスステッチで自分だけのクールなスマホケースを作ってみてください!
(text:長塚愛/kwc)