超訳!?「外国人にニッポンの名台詞を英訳してもらったら」講座
2015年06月30日
TOEIC&TOEFLはビジネスや大学受験で重宝され、2020年の東京オリンピックには外国人が大挙として日本に押し寄せる。日常生活、はたまた人生において、英語が必要とされるシーンは年を追うごとに増えています。
一方、「英語をマスターしたい!」と決意して参考書を買っても、三日坊主が関の山、もとい積読(つんどく)の山。そんなYou&Iも気軽に、そして楽しく英語を学べる講座をご用意しました。マンガ、アニメ、映画、ドラマ…私たちが慣れ親しんだジャパニーズカルチャーの名台詞から英語を学ぶ、その名も「外国人にニッポンの名台詞を英訳してもらったら」講座!
講師はもちろん外国人、教室はジャパニーズカルチャー好きの外国人が集まる秋葉原(のどこか)。彼らの胸に刻まれているニッポンの名台詞を尋ね、それを英語でスケッチブックに書いてもらい、英語の表現や文法をレクチャーしてもらいましょう。さあ、生きた英語を学べる街頭講座の開講です!
ファンキーカップルが名作アニメの名言を!
教室に(勝手に)選んだのは、秋葉原の中央通りにある某有名アニメショップ前。ジャパニーズカルチャー好きの外国人はいないかと待ち伏せていると…ファンキーなドレッドヘアに、「四代目火影」と書かれた「NARUTO」のTシャツを着た男性が!
「これは幸先良くディープな獲物…いや、先生を見つけたぜ」
と声をかけると、ドレッド兄さんが陽気に「I love Japanese animation!」。スケッチブックを渡して、心に残るニッポンの名台詞を英語で書いてほしいとお願いすると、ペンを走らせたのはSteady(恋人)のJasmineさん(!?)。書いた名言は…。
Live a life with no Regrets.(悔いのないように生きるんだ)
by ポートガス・D・エース「ONE PIECE」
って「NARUTO」じゃないんかーーーいっ!!
……Unbelievableの連続に動揺しつつも、確かに、主人公ルフィの兄であるエースが「後悔」のない「航海」を誓うこの言葉は、ファンのあいだでも人気の名台詞。Jasmineさん、相当読み込んでいるようです。
しかもありがたいことに、使われている単語は初級レベルのものばかり。「live a life=人生を送る」「with no=~なしで」「regrets=悔い」という文法です。
ちなみに、「with no」は「without」に置き換えることも可能。スマートにまとめたいときは「without」でもOKですが、格言のように「regrets」を強調したい場合は「with no」を使いましょう。
きっと、ドレッドヘアの兄さんが「俺は君なしじゃ生きられないぜ」とスマートに愛を囁くときは、「I can not live without you」と言っているに違いありません!
ノルウェーの美少年はお馴染みの名台詞を……
さて、次に声をかけたのは、ノルウェーからやってきたSimonさん。
色白の肌、整った顔立ち。飛び出るのは美少年キャラのセリフ(であってほしい)、流川か、ハウルか、はたまたオスカルか———。
I will be the PIRATE KING!(海賊王に俺はなる!)
by モンキー・D・ルフィ/「ONE PIECE」
「And you too,Simon?」(サイモン、お前もか…)by カエサル
思わず名言で返してしまいましたが、「ONE PIECE」人気、恐るべし! 伊達に3億部は売り上げていません。
「海賊王に俺はなる!」、この台詞はもはや説明不要でしょう。
「I=私」「will be=~になる(未来形)」「the Pirate King=海賊王」を意味します。「will be」は、中学校で習った記憶がある方も多いはず。未来形である「will」の代わりに、「be動詞 + going to」を使うことも可能です。「be動詞」とは、「am」「are」「is」のような単語を指します。
では、「will」と「be動詞 + going to」はどのように使い分ければいいのでしょうか? 微妙なニュアンスの違いですが、Simon先生曰く、「be動詞 going to」はすでに決まっている予定を表す場合に、「will」はその場で決まったことや強い意思を表す場合に使うそうです。
また、「the Pirate King=海賊王」は「King of pirates」と言い換えることも可能。お昼の帯番組としておなじみ(?)のバイキング=vikingは、一部地域の海賊・海賊行為を指すので、pirateと比べると限定された表現になります。
こうして秋葉原の“グランドライン(大いなる航路)”へと旅立って行ったSimonさんでした……。
米国女子は女子の定番(!?)な決め台詞!
次こそは「ONE PIECE」以外のセリフがほしい(切実…)。そう願いながら声をかけたのは、日本の語学学校に通う女性グループ。まず、アメリカから来たHillaryさんが書いてくれたのは……。
In the name of the moon, I’ll punish you!!(月にかわってお仕置きよ!)
by 月野うさぎ/「美少女戦士セーラームーン」
きましたっ、セーラームーンの決め台詞!
しかも、待ってましたっ、中級レベルの英単語!!
Hillary先生に解説してもらうと、「In the name of ~=~にかわって」「the moon=月」、「I’ll ~=私は~をする(未来)」、「punish ~=~を罰する」「you=あなた」に対応しています。
「〜にかわって」という表現は、ほかにも「on behalf of ~」「in place of ~」「instead of ~」「replacing ~」といった表現が可能です。また、「I’ll」は先ほども登場した「I will」の省略形。「I shall」にすると、より強い意志・決意を表現することができます。
ともかく、「ONE PIECE」以外のセリフをありがとう! Hillaryさんにならお仕置きされてもいいです!!
英国美女がまさかの……アレを!
そして、イギリス出身のJulieさんが選んだ言葉は、まさかの……。
Double payback(倍返しだ!)
by 半沢直樹/「半沢直樹」
秋葉原の地で「倍返し!」を聞けるとは思いませんでした!
2013年の流行語大賞にも選ばれたこのセリフ、日本に住んでいるJulieさんの心にも刺さったようです。
しかも、この「Double payback」は超名訳!
単純に訳すと「I will pay you back double」となりますが、Julieさんは「double=倍の」「payback=払い戻し、見返り」というたったの2ワードで表現。インパクトも言葉のキレも印象が異なります。堺雅人さんが怒りに震えながら、「Double payback!」。なんだか絵になります。アメリカで放映する際は、ぜひタイトルを「Double payback」にしてほしいですね。
ダンディな英語を期待していたら……
ヤングでフレッシュな先生が続いたので、最後は大人の色気を漂わせたおじさま or おねえさまを探していると…黒ぶちメガネとヒゲがダンディなNELLOさんに遭遇。あなたこそ今日の講座を締めくくるにふさわしいお方、よろしくお願いしますとスケッチブックを差し出すと……。
UN MAIALE CHE NON VOLA,È SOLO ON MAIALE!!(飛べねぇ豚はただの豚だ)
by ポルコロッソ/「紅の豚」
やっちまったぁぁぁぁ!!! まさかのイタリア語……。
NELLOさんはイタリア出身、そして「紅の豚」の舞台もイタリア。
というわけで(?)、解説不能をお許しください…。
そして、今日の街場の授業を通して思い知りました。
A person who can’t speak English is just an ordinary person.(英語を喋れねぇ人間はただの人間だ)
早く英語がペラペラになりたい!
See you next time!
And thank you for your cooperation!
(text:Taku/KWC)